誰かの役に立つおもしろいアイディアをプロダクトとして形にする
ワークショップ対象者のレベルや予算に応じて、大きく分けて 3 つのパターンの機材セットが考えられます。
予算がなく最小限の構成で簡単に実施する場合は外部デバイス無し、micro:bit 本体だけで実施できます。但し、micro:bit 内蔵センサーは精度が非常に低い、温度センサーなどは発熱するチップに内蔵されていることもあり常に高めにでる、故障すると micro:bit まるごと変えるしかない、電子工作配線の学習が全く出来ないと言った欠点には注意が必要です。
予算が掛かっても構わないから簡単な配線なことを優先する場合、micro:bit 本体と Grove セットで実施します。小中学生などを対象として配線を注意するのが難しい場合、ワークショップが極めて短時間の場合、遠隔開催で配線ミスの確認をサポートするのが難しい場合、ジャンパーピンの配線ミスに起因するデバイスの故障や火傷などの事故を避けたい場合などは Grove モジュールを使うと良いかも知れません。
Grove を使う場合でも Inventor Kit の全モジュールを必要とはしない場合、Groveシールド と必要なモジュールだけを買い揃えることで価格を抑えることが出来ます。また、シールド以外のモジュールは全て Grove ケーブル (コネクタ-メス) のメスピンに汎用センサーに接続しホットボンドなどで固定したものを用意すると安価に揃えることも可能です。
それ以外の場合は通常のブレークアウトボード、ブレッドボード、ジャンパーピン、汎用センサーを必要なだけ揃えて実施してください。予算があれば Keyestudio 37 in 1 Starter Kit は説明とサンプルコードが全て Web サイトに用意されているので使いやすいですが、あまり使わないモジュールや同じようなモジュールもかなり多く含まれていることには注意が必要です。ジェスチャーセンサー、温湿度センサー、ロードセル、各種アナログセンサーなどは別途用意しておくと作品の幅が広がります。
Firmware ページ の手順に従い、micro:bit ファームウェアバージョンの確認とアップデートを行います。
ファームウェアバージョンが古かったり不統一であると、講師の説明と参加者の手元での振る舞いが異なる、機能的な差がある、プログラムの更新の手間がかかる、おかしな振る舞いがあるなど、ワークショップの妨げとなるトラブルの原因になります。書き込み作業は1つ1分もかからない(USBポート数だけ同時に並列で行うことも出来る)単純作業ですので、ワークショップ実施前にバージョンの確認と更新を行いましょう。
特に、ファームウェアバージョンが 0249 より前の micro:bit は更新を強く推奨します。それ以降のバージョンでは、Chrome などの WebUSB 対応ブラウザであれば初回にペアリングしてそれ以降はワンクリックで書き込みが可能になりますが、それより前のバージョンでは毎回プログラムの hex ファイルを micobit ドライブに書き込む必要があります。ダウンロードボタンを押すと(ブラウザ設定次第ですが)勝手にダウンロードディレクトリに保存されそれをエクスプローラで移動させる必要があることなど、初心者は意外と手間取るところです。
micro:bit 内蔵のコンパス機能は、初回利用時のみ TILT TO FILL SCREEN
というメッセージが表示され、キャリブレーション作業を必要とします。キャリブレーション結果はデバイスに保存され次回の利用時からは呼び出されないため、個々の micro:bit でコンパスを初めて使うかどうかで振る舞いが変わります。
キャリブレーション操作は初めての人には分かりにくく、また、参加者によって振る舞いが違うとワークショップが混乱しがちですので、初学者向けのワークショップの場合は予め全ての micro:bit に一度コンパスを利用するサンプルコード を書き込んで実際にキャリブレーションを行っておくと安心です。 参加者によって振る舞いが違うとワークショップが混乱しがちですので、初学者向けのワークショップの場合は予め全ての micro:bit に一度コンパスを利用するサンプルコード を書き込んで実際にキャリブレーションを行っておくと
キャリブレーション手順など詳しくは コンパスセンサーの説明ページ をご覧ください。
この作業はあまり重要度は高くありませんが、ワークショップを始める際に同じプログラムを最初に入れておいたほうが統一感のあるワークショップが可能です。
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